体温と健康の関係
今回は体温をあげると、いかに体にとって良いか、というテーマを取り上げてみたいと思います。
ところで、漢方薬に「葛根湯(かっこんとう)」という薬がありますが、昔から、風邪をひいたら葛根湯、下痢をしても葛根湯、湿疹ができたといえば葛根湯と、いうように、江戸時代はどんな時でも葛根湯を処方したと、以前本で読んだことがあります。
ではなぜ葛根湯なのか?
葛根湯は体を温める成分から構成されていて、つまり、体を温めるとどんな病気にも効果的だ、という考えなのですね。
英語で風邪は、Coldといい、やはり「冷たい、冷え」が関係しているようです。
人の体は冷えに対して弱く、免疫力が低下するのはもちろんの事、外気温や体温が最も低下する早朝が、最も死亡率が高いと言われています。
アトピー性皮膚炎のかゆみがひどくなったりするのも早朝で、一般的に、寝起きは思考もネガティブになり、朝方の2時間くらいは、調子が悪い人も多いのではないでしょうか?そしてお昼、夕方にかけて徐々にテンションも上がっていき、調子が上がっていきますね。
このような現象は、体温の上昇と密接に関係しているのです。人の体は、寝起きと夜の8時頃では、人によっては1度近くも体温が変化するようです。
では1度とはどれくらいの影響力を持つのか?
36・5度・・・免疫力が充分にあり健康体。
35.5度・・・自律神経失調症、アレルギー症状などが出始める。
34.5度〜35度・・・がん細胞が最も活発になる温度。
このように体温の低下とは、私たちの体に最も影響力を与える要素の一つなのです。
逆に言えば、体温を上げることを意識して、冷えをなくしていけば、どんどん健康になっていくのです。
体温があがれば、免疫力もしっかりします。
免疫力があがる時というのは、白血球、リンパ球がしっかり体内にまわっている状態、つまり、血流がよい状態なのです!
結局は、血液を体内に回すという原点にもどってくるのですね。
では、今から改善策、すなわち、この寒い冬の時期に、体温をどのようにあげていくかを考えていきましょう。
今からお話することは私が普段毎日行っていることであり、実際に効果を感じていることです。
@運動時、または運動後。
Aお風呂上がり。
Bストレッチを十分に行い、体が柔らかくなったとき。
C体を温める物を飲食したとき。
@は筋肉を動かし、熱を体に生み出します。そして運動により、血流が良くなります。
特にウォーキング時など、下半身をつかったときは更に血流が良くなります。
下半身は全筋肉の約6割を占めます。筋肉量の多い箇所を動かすことで、より多くの熱を生み出すのです。
そのため、足の細い方(筋肉量の少ない方)等は、冷え症の方が多いのが現状だと思います。
筋肉量を増やし、しっかりと下半身運動をすることによって、体温上昇を目指しましょう。
Aお風呂が体を温める事は誰もが知っていることですが、大切なのはしっかりと体を温めきっているかということです。
さっと入る程度では末ったん(手足)までは温もりません。
私は、目安として、汗をかくまでしっかりと入浴しています。やはり、熱めのお湯で入るほうがしっかりと温まります。
汗をかくことで、冬場鈍っている汗腺を開かせ、代謝を高めるのです。
入浴剤を使用したり、温泉に入ることも、効果的な方法の一つだと思います。
更に効果的なのは、サウナです。やはり、普段運動の時間が取れない方には、効果的に汗をかく最良の方法だと思います。
代謝があがり、体内の老廃物が燃焼されることで血液も浄化され、血流も良くなります。
水風呂と合わせると、自律神経の衰弱にも効果的です。気分が乗らない、無気力等の症状が続いている方には、特にサウナをお勧めします。
サウナと水風呂を交互に3回ほど繰り返し、最後を水風呂であがると、血管の収縮作用で血流が良くなり、気持ちの落ち込みも改善されます。
※ただし、高血圧、心臓病など医師の診断を受けているかたは、熱いお風呂に入る事や、サウナと水風呂の利用方法には注意が必要ですので無理をしないでください。
健康な方でも、サウナのあとの水風呂は少し休憩をとってから、足から徐々に入るようにしてくださいね。下半身のみでも効果はあります。
ではここで、よく質問を受ける、入浴方法についてまとめておきます。
☆熱い湯(42度以上)の入浴・・・
1、交感神経が働き、元気になる。
2、心拍数があがり血圧が上昇する。
3、胃腸の働きは低下する。
4、入浴時間は10分程で、寝起きの悪い人の朝風呂にもよい。食欲抑制に効果的。
☆ぬるま湯(38〜40度)の入浴・・・
1、副交感神経が働き、ゆったりリラックスする。眠りにつきやすい。
2、心拍数がゆるやかになり、血圧が不変か、ゆるやかに低下する。
3、胃腸の働きは活発になる(食欲が増す)。
4、30分程度の入浴で効果がでる。高血圧やストレス過多の人、食欲不振のひとに良い。
Bこれは前回の「腰回りのストレッチの重要性」を参考にしてください。柔軟な体は血流を改善させ、体温を上昇させます。
C私はよく生姜湯を飲むようにしています。基本的に温かいものを口にするのが、体にはやさしいですね。
生姜湯・・・私の家では、生姜のスライスをはちみつにつけて冷蔵保存します。そして、少量をお湯割りにしてよく飲んでいます。
次は逆に、体を冷やす要因も何点かあげてみます。
1、ストレス
現代社会はストレス社会と言われています。ストレスがかかると自律神経の中の交感神経が優位に立ち緊張状態が続きます。
すなわち血管を収縮させ、血流を悪くさせます。結果体温低下にもつながります。
2、食事の取り方
食べ過ぎの時というのは、急に眠気がおそってきたり、体がだるくなったりします。それは血液が、消化のために胃腸に集中して、他の臓器への血液の供給が、一時的に低下するからです。結果、血流低下による冷えを引き起こしやすくなります。
あと水分の取り過ぎも、冷えを促進します。特に冷たいものは余計に体を冷やします。
体の余分な水分を排出(デトックス)することが、大切になってきますね。
体外に老廃物を排出するということは、血流を改善して、冷えを防止する上でもとても大切なことなのです。
最後に余談ですが、以前よく一緒にいたフランス人に聞いた話なのですが、フランス人の平均体温は37度以上あるそうです。
いつも薄着で元気だったのが、今思い出しても納得できます(笑)。この体温の話は実際に調べたわけではないので、本当かどうかはわかりませんが、テンションの高いラテン系の外人さん等は、私たちより1度くらい体温が高いのかもしれませんね(笑)
体温をあげて、この冬を元気に過ごしましょう!